虹の中の観覧車
「俺は、いつでもない、3月25日に生まれた俺だから、美羽に出逢う事が出来た。そして今、ここにいる。」


揺れる瞳が少しだけ大きくなった。


「美羽に出逢う為に生まれて来たんだ。」


膝においた小さなバックをぎゅっと握り締めた。


「だから、俺が生まれた日を、美羽と一緒に祝いたいんだ。」


君がひとりぼっちになった日も、一緒に祝うために。

「来年も再来年も、ずっとずっと一緒に祝って欲しい。」


君がひとりぼっちになった日も、そして、二人になった日も、ずっとずっと一緒に。





静かに空に近付く観覧車。




君が嫌いだと言った誕生日。

これからは、ほんの少しでも良いから、大切にしてほしいから。

君の今を大切にしたいから。



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