虹の中の観覧車
甘い花束
「美羽、着いたよ。」


「ここ…………瞭くん?」


「さ、降りた降りた。急がないと。」


美羽の手を取り、少し早歩きで目的の場所へ向かう。


「ねぇ……瞭くん。」


「良いから良いから。」


聞きたいことは沢山あるだろう。

車の中からわかっていた。

いや、この2、3日、朝の散歩もどこか上の空で。









「ねぇ………」


そう言ったきり、じっと俺を見つめた朝。


「美羽?」


「あ…………ごめん。何でもない。」


何かを言いたげに……。


一昨日のこと。

バラエティの収録で祝ってもらった誕生日。

もらった花束を、捨てるわけにもいかずに持ち帰った。



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