虹の中の観覧車
次の日。

誕生日の二日前。

行く現場、現場で誕生日を祝ってくれる。

その度に、沢山の人たちに感謝した。

もちろん、家族にも。

そして、その度に、美羽の笑顔を思い出した。











『公園で、ひとりになった日が誕生日。』










だから、誕生日は好きじゃない。









小さく呟いたあの日。

公園で、ほんの少しだけ、寂しそうに笑った。










「瞭くんの誕生日はお祝いしようね。」


無理して笑って。

わかっていたけど、なかったことには出来ないから。

勝手に周りが騒ぎ始める誕生日。

メディアにも載る。

毎年必ずやってくるから。

だから、素直に花束の訳を話した。



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