虹の側に
「は……ぃ、一時間後に迎え。…………あ……ねぇ、中村さん?」


『ん?なんだ?』


「まさか………休めないっすよね?」


『まさかな。………どうした?引退か?』


「あぁ……それもありですね。」


『はいはい。一時間後。』


さらっと言い流して切っていく。

やっぱり休めないよな。

当たり前のことを聞いた俺も俺だけど………。

携帯を閉じ、体を起こした。

とりあえず、なんとか頭と体をしゃんとさせないと。

シャワーを浴びるのが手っ取り早い。

ふらつく体をゆっくりと動かしながら、寝室のドアを開けた。

曲がって少し行けば、目的地はすぐそこ。

反対側にはリビング。

頭を軽く振り、溜め息をつきながら、いつもより重いドアを開け、倒れこむように吸い込まれた。



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