虹の側に
予定外
「瞭、行くぞ?」


「ん……。」


ソファに寝転がったまま、動けないでいた。


「いつまで寝てんだ?」


「……ん、今起きる。」


「瞭……?」


塁が覗き込んでいるのが陰でわかる。


「ちょっ、お前、大丈夫か?」


「ん……。」


多分……大丈夫。


「瞭?おい?瞭!」


そんなに叫ばなくても聞こえてる。


「熱……待ってな。」


冷たい塁の手が額に当てられた。

気持ち良い……。

ほら、美羽が空を見てる。

寂しそうに、哀しそうに……。

空に吸い込まれそうに………。

抱き締めておかないと…。

追い掛けないと……

夢の中は、何故か、哀しい色で一杯だった。



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