虹の側に
その晩、薬のお陰であっというまに眠りに落ちた。

携帯を取ろうと起き上がったところに現れた貫禄たっぷりな看護師。

お袋みたいに、ゆっくり休むように諭しながら、点滴に何かをプラスして出ていった。

そして、目的を達成することなくあっというまに眠りに落ちた。

次に目が覚めたのは、朝の検温。




散歩に行かなきゃ……。





そんな想いを知ってか知らずか、運ばれてきた食事を食べ終わるまで見ているマネージャー。


「早くないっすか?」


「早いに決まってるだろ。着替え取りに行くかと思って来てやったのに。行かねぇなら帰るけど?」


意地悪く立ち上がる。

こう言うところ、30には見えない子供なんだよな。


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