虹の側に
「まだ………居てくれて良かった。」


振り向いた瞳は、青空に照らされて、キラキラしていて。

吸い込まれるように、瞳の隣に腰を下ろした。


「良かった。居てくれて。ありがと。」


キラキラ光る瞳には、やっぱり少しの不安が混ざっていて。


「居ないと思ってた。」


散歩の時間はとっくに過ぎてる。


「居てくれて、すげぇ嬉しい。」


見上げた空が笑って俺を見下ろしていた。


「………ん。」


俺を見上げる瞳が、優しく笑っていた。


「ずっと側にいて?」


「……ずっと?」


「ずっと。俺もずっといるからさ。」


「………。」


抱き締めてしまえば良いのかもしれない。

でも、もう少しだけ………。

不安が消え去るまでもう少しだけ。



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