虹の側に
「美羽の側にいる。ずっと。」


頭の上にそっと掌をのせた。

少しひんやりした髪をそっと撫でる。


「………居たい。…瞭くんと……一緒に居たい。」


「ん。」


そっと引き寄せた頭を胸に抱き締めて、空を見上げた。


「ごめんな。」


呟いた言葉は空に吸い込まれる。


小さく首を横に振り、胸の中で空を見上げた。


「熱、下がったんだね。」


頬にそっと添えられた掌。
暖かい温もり。


「ん。なんとかね。」


予定外の出来事はそのうち……。


「美羽、仕事、大丈夫?」


「大丈夫……じゃないかな。」


ペロッと舌を出し、肩をすくめる。


「あ……お粥、ありがと。美味しかった。」


「うん。」



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