虹の側に
これからいくつの季節を向かえるのだろう。

新しい季節と一緒にまた別の試練がやって来るときもあるかもしれない。

その時も、こうやって二人で乗り越えよう。

ゆっくりと、二人のスピードで。

ゆっくりと、想いを伝えあえばいい。


「店長、怒るかな?」


「静香さん?怒るかな?」


「俺、謝りに行こうか?」


「大丈夫。電話しとく。オープンまでには行くし。」


「行くんだ?」


「……行くよ?瞭くんは?」


「昼から。」


「頑張って。」


「はい。」


繋いだ手に少しだけ力を込める。

たくさんの想いを込める。

君が作ってくれる熱いお粥を食べたら、そしたら、言うよ。

君の心にしっかり届くように。




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