虹の側に
「はぁ………ごめん……無事に帰れる自信ないかも。」


そう言いながら、小さな肩にもたれてみる。

まぁ、抱きついた、というのが本当のところだけど……。

この心配そうな顔をもう少し側においておきたかったから。


「うん。一緒に行く。」


ちょっと辛そうに眉を潜めたら、本当に泣きそうになった。

ほんの少しの罪悪感を心の隅に追いやり、肩を借りながらゆっくり歩く。

肩を抱きながら……が正解だとは思うけれど、時々心配そうに見上げるのが可愛かったりして……。

こんなところ誰かに見付かったら大変だろうな…なんてことも頭の片隅に置きながら、それでも、しっかり肩を………肩を借りながら歩いた。



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