掌に収まる程、小さな物語
 その日の夜、彼女との話を思い出し、鏡を覗き込むといくつかの人影が映った。彼女の話通りだとするとまた誰かを傷つけてしまった事になる。僕は自分が嫌になった。
 その日から僕は人との関わりを避けるようになった。彼女ともほとんど会わないようになった。
 人付き合いを避けてから鏡に映る影は減ったが、一つの小さな影がだんだんと濃くなってきた。ある時、その影の正体に気付いた。彼女だ。
 その事に気付くと、僕は彼女との関係を終わらせようと決意した。放課後、彼女を呼び出して別れを告げると、返事を待たず家に帰った。
 
 家に帰り、鏡を見ると僕の後ろに彼女が立っていた。鏡の中の僕の首を彼女は絞める。気付くと僕は、自分の首を思い切り絞めていた。
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