掌に収まる程、小さな物語
今日は愛犬と散歩をした。この子と歩いていると味気ない田舎道もとても新鮮で素晴らしい風景に感じた。土手に続く道の景色を眺めながらゆっくりと歩いていると、前からランニング中らしい若い男が走ってきた。見ない顔だな、と訝しんでいると私の愛犬が男に飛びかかった。私の犬が噛み付いた腕にはナイフが握られていた。
男は驚いてナイフを落とし、そのまま逃げていった。私は急いで愛犬のもとへ駆け寄ると「本当に無事でよかった・・・」と言って抱きしめた。
耳元で「僕もだよ。」と聞こえた気がしたが空耳だろうと思う。
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