掌に収まる程、小さな物語
雲外鏡
僕の家の鏡は時折、変なものを映しこむ事があった。
 一階の奥に物置として使っている部屋があり、そこに古ぼけた、けれど立派な鏡があった。詳しい事は分からないが、僕の家に伝わる由緒ある物らしかった。
 
 初めてその鏡に『何か』が映りこんだのを見たのは確か僕が十歳の頃だ。
 
 
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