♀スクール・デイズ♂
保健室には誰もいなかった。


保健の先生もいなかったので、自分で膝を消毒した……手馴れたものだ。自分で笑っちゃったよ。


そして、保健室内の長椅子に座ると、大きな窓から大きな空を眺めた。


こんな広い空の下、人間なんてたくさんいるのに。

どうして、私はひとりなんだろう。


どうして、うまくいかないんだろう。


ケンカしたり誤解したりうざったく思ったりハブられたり……人間関係って煩わしい。


ひとりになりたいと思ったことも、今まで何度かあるけれど。


実際にひとりになるのって、孤独って、こんな感じなんだね。 


ちーちゃんたちと、マックでおしゃべりをするキラキラした時間は、もう戻ってこないんだね……。


何だか、涙が出そうだった。


鼻の奥が、ツンとしてきた。


これから、来年のクラス替えがあるまで1年間、私はずっとひとりで過ごさなきゃいけないのかな。


朝、登校してきても、おはようを言う相手もいなくて。


休み時間も、自分の席から動くことなく。


お昼ご飯も、教室を離れて、人知れぬ場所で食し。


ひとことも言葉を発さずに、放課後になって早々学校を出て。


そのまま、どこにも寄らず、ひとりで真っ直ぐ家に帰るんだ。


これから、毎日そんな生活が続くのか……気が遠くなる。


やがて私はナカヤマ先生のとってくれたラーメンを食べ終えると、5時間目が始まるギリギリの時間まで、保健室で過ごした。



< 11 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop