♀スクール・デイズ♂
「――何、笑ってんの?」
「ううん。何でもないの」
また、“カワイイ”なんて言ったら、スネるだろうから、そこはごまかした。
「それにしても、あれだな。医者ってカッコいいな」
「早速マンガに影響されてるの? 何? お医者さんになりたいの?」
「俺、ヤダよ。痛いの」
「別に、お医者は痛くないでしょ」
「そうか――。医者っていう選択はないな、俺。マンガは平気だけど、医療モノのドラマとか、手術シーンとか生々しくてダメ。怖い」
そう言って、唇をとがらせて身震いをしてみせる。
「ドラマかぁ。テレビ自体、あんまり見ないからな」
と、私の言葉に芳くんは辺りをキョロっと見渡して、
「そういや、部屋にテレビないね」
と言った。
「うん、マンガとか、本があればテレビはいらない」
「俺はテレビっ子だよ。テレビばっか見てる」
「どんなの?」
「んー。お笑いとか、ドキュメンタリーとか、何か元気もらえるやつ」
「元気もらえる……って、普段どんだけ元気ないの」
私は噴き出した。
「マイナス思考だからさ、部屋でひとりとか淋しーんだ」
「ああ、だから――」
こんな夜中に、私のところへ訪ねてくるのかな。
「ん?」
「いや、うん。その気持ち、解るよ」
その考えを口に出すのがおこがましくて、私は言葉を濁した。
ちらりと芳くんを見ると、カップを手にしたまま、目を瞑っていた。
「どした?」
「いや、何だか眠くなってきた。――ミルクのせいかな」
「ここで寝る?」
眠いところ帰して、原付で事故ったら大変だ。
ひと眠りしてからの方が、いいんじゃないかな?
だけど――。
高校生の男女が、同じ部屋で眠るなんて、不謹慎かしら?
だけど、別に私たち、そういう関係じゃないし……。
「ううん。何でもないの」
また、“カワイイ”なんて言ったら、スネるだろうから、そこはごまかした。
「それにしても、あれだな。医者ってカッコいいな」
「早速マンガに影響されてるの? 何? お医者さんになりたいの?」
「俺、ヤダよ。痛いの」
「別に、お医者は痛くないでしょ」
「そうか――。医者っていう選択はないな、俺。マンガは平気だけど、医療モノのドラマとか、手術シーンとか生々しくてダメ。怖い」
そう言って、唇をとがらせて身震いをしてみせる。
「ドラマかぁ。テレビ自体、あんまり見ないからな」
と、私の言葉に芳くんは辺りをキョロっと見渡して、
「そういや、部屋にテレビないね」
と言った。
「うん、マンガとか、本があればテレビはいらない」
「俺はテレビっ子だよ。テレビばっか見てる」
「どんなの?」
「んー。お笑いとか、ドキュメンタリーとか、何か元気もらえるやつ」
「元気もらえる……って、普段どんだけ元気ないの」
私は噴き出した。
「マイナス思考だからさ、部屋でひとりとか淋しーんだ」
「ああ、だから――」
こんな夜中に、私のところへ訪ねてくるのかな。
「ん?」
「いや、うん。その気持ち、解るよ」
その考えを口に出すのがおこがましくて、私は言葉を濁した。
ちらりと芳くんを見ると、カップを手にしたまま、目を瞑っていた。
「どした?」
「いや、何だか眠くなってきた。――ミルクのせいかな」
「ここで寝る?」
眠いところ帰して、原付で事故ったら大変だ。
ひと眠りしてからの方が、いいんじゃないかな?
だけど――。
高校生の男女が、同じ部屋で眠るなんて、不謹慎かしら?
だけど、別に私たち、そういう関係じゃないし……。