♀スクール・デイズ♂
うすうすそう感じていながら、つきあいも半年になった頃だった。


メールしても、気の向いた時しか返事くれなくて。

会いたい時も、“今は別に会いたくない”なんて言われたり。


好きでいることに、疲れてしまった。


今はもう、思い出したくないこと。  


気持ち的にも、物理的にも、半年経ってやっと離れることができた。


……それが、私の本心だ。

男の子って、よく解らない……。


それからだ。


今まで、仲良くしていた男トモダチとも、少し距離を置くようになったことも。

高校に入って、ちーちゃんや由香、さっちんとか、女の子にだけ囲まれて生活するようになったことも。

本当は、2年生になって、新学期早々、男子側の列になって。


芳くん、カズくんに、自分から気さくに声をかけて仲良くなれるような性格だったのに。


それを、ためらわれたのは。


全て、鏡介とのつき合いがあったからだ――。


男のひとの、怖さというものが、潜在意識的にインプットされていたからだ。


――カズくんからの、キスでさえ。


すぐさま、恋愛に結び付けられなかった。


芳くんの夜毎の逢瀬も、自分への女としての特別な好意と受け取らないでいることも。


全て、鏡介のせい。


今私は、男子の輩の中で、口を真一文字に結んで黙っていることしか、できなかった。


――逃げてしまいたい。


男どもの、好奇の目から、ほどかれたい。


けれど。


まるで金縛りにあったかのように、体が、動かない――。


――やめて。


やめて、私は――。


私はもう、鏡介のものじゃない、のに――。



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