思いだけでも伝えたい(短編)

コクンと神谷が頷いて、それからブワアと顔を赤く染めた。



そんな神谷につられて俺も顔が赤くなる。



｢返事は……？｣



｢ままま待ってからかってるの？｣




はあ？なんでそうなるんだよ



｢真剣｣

｢ごめん。返事、返事｣




相当焦ってる神谷


俺なんて眼中になかったってことか？




｢あのね、

怖いの返事するの｣



返事するの怖い？




｢なんで｣

｢私、頷きたいよ、すぐにでも。でもね

私が頷いたところでどうにもならないの｣



なんでそう思うんだよ



｢私、樋口と話すのはすごく楽しくてすごく好きだ。
でもこうして一対一になるとどうしたらいいかわからないくらい緊張するの｣




何が悪いんだよ