思いだけでも伝えたい(短編)
卒業式……あと3ヶ月。
あと3ヶ月、お預け?
腕を緩めると、潤んだ目の神谷がいた。
神谷ってこんな表情もするんだ。
無理って言ったらきっと悲しい顔するんだろ?
「卒業式で返事しなかったら無理矢理にでも頷かせるから。
あと、今すごい色々我慢してるから卒業式の日覚悟しといてね」
いい終わってから大きく息をした。
「……わかった。から、離して」
俯いてしまった神谷をしぶしぶ離すと、何故かにやけてしまった
何故かっていうか、神谷が耳まで真っ赤だったからなんだけど。
「帰ろ。送る」
「や、大丈夫!!いつも通りにしてよ」
「送るのも駄目なの!?」
きついなあ