思いだけでも伝えたい(短編)
この状況を見ていた何人かが私達の状況に笑いを噛み殺して笑った。
「絶対駄目だから」
最後に樋口はそう言うと、タイミングよくチャイムが鳴って皆教室から出ていく。
私は樋口の後ろ姿を目で追って溜め息を吐くことしか出来なかった。
「神谷さんー」
松矢はそんな私を見て猫なで声を出しながら私の机に手を置く。
「鬱陶しいなあもう」
また、深い溜め息が出た。
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バタバタバタバタ
ドッゴオオオン
「何やってるんですか」
机を倒して暴れる樋口と松矢を見た。
教卓を台にして日誌を書いてる手は止めない。