刹那恋
貴方×あたし=・・・・・
 
「ねぇ、一緒に遊ぼーよ」

またか。
あたしは大きくため息をついて、話しかけてきた男の横を通り過ぎる。

「なにー?無視とか酷くない??」

どんだけ暇なのか、男共は。
しかもモテそうにないカスばっか。
やめて欲しい。

あたしが街を歩くと決まってやって来る。
素晴らしい容姿で産んでくれたのは嬉しい。
けど、ここまでは望んでいない。
面倒なだけだ。

「ねぇってば。俺、君が思ってるような奴じゃないよ?」

あたしが思ってるような奴?
ふんっ、あんたが思ってるだけじゃない?

あたしはあんたに興味無いし。

「おい、来いって!」

男はイラついたようにあたしの腕を掴んだ。

「・・・・・離せ」

「ん?黙ってついて来たら大丈夫。」

「お前になんかついて行かない。離せ。」

「怖いなー、もう。せっかく可愛いんだからさ、黙ってろよ」

男の偉そうな態度にあたしの頭の何処かがプツンと音をたてた。

「っ・・・・!!!?痛てててててててててっ!!」

男の腕を回して後ろで固めた。
あたし、合気道段持ちですけど、なにか?

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