刹那恋
とりあえずやってきたのは小さな公園。
歩いていて見つけただけで、来たことはなかった。
遊んでいる子供は一人もいない。
淋しい公園だ。
「圭吾さん」
「んー?圭吾でいいよ??俺17だけど、沙耶ちゃんは?」
「16です。あたしも呼び捨てでどーぞ?」
「そっかあ。なんか大人っぽいよね。背はちっちゃいけど★」
「圭吾さ・・・けっ圭吾がおっきいの!」
圭吾はそっか、って笑った。
年上なのに、可愛い笑顔。
・・・褒め言葉になってないのかな?
でもほんと、曇りのない綺麗な笑顔だった。
「ねぇ、圭吾。なんであたしの事助けたの?」
「んー?さっきも言ったけど、なんかびっくりしたんだって」
「なにに?」
「んー、運命・・・?なーんてっ」
冗談交じりの声にはちょっと本気も混ざってて。
あたしの頭に優しく手を置いて笑う笑顔にも真剣さが入ってる。
それぐらい・・・解ったよ・・・?
「ねぇ、俺さ、運命信じてんだよね。」
「うん」
「軽いって思われるかもだけどさ、ホント俺・・・」
さっきとは全然違う雰囲気の圭吾に心臓は激しく高鳴った。