Trust.

すると、あたしが持っていた花火の灯りに影が出来た。

「あ、ナナー!」
アヤが笑い出し、振り返ると正真正銘の彼女が居た。

「こんばんわ」
渋谷とかでよく見る、いわゆるギャル系の格好をして、髪もふわふわに巻いている。
学校で見た感じとそんなに変わらない、ナナちゃん。

「うちら酔ってるから、まりやんとこ行きなー」
「え?」
内心、すごいドキっとした。まともに会話もしたことないのに・・・
しかも・・同じ学校だって事自体知らなさそう。

でも一人でいるのもなんだったし、ナナちゃんをこっちに呼ぶ。

「ナナちゃん、こっちこっち」

あたしが手招きすると、彼女はこっちにやってきた。
暗くてよく分からないけど、学校で見るときいつも思う。
可愛いのに、何故か周りと少しだけ離れている。

「あたし、まりや。
・・・同じ学校なんだけど、知らないよね?しかも同じクラス」
きっと知らないだろうと思いながら言ってみたけど。
案の定、反応から見ると知らないみたい。
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