Trust.
学校ではあんな風に、授業サボったり、悪いこと沢山してて恐れられてるけど。
だからってみんな、根拠のない噂を流したりするのは、一種の差別のような気がした。
あたしもその中の一人だったんだけど。
初めてちゃんと話してみて、嘘だと分かった。
「まりやって超話しやすいじゃん!」
そろそろ危ないから、と他の友達の家へ行く途中。
ナナがこんなことを言った。
「え?」
あたしが聞き返すと、少し前を歩いていたナナが振り返った。
「まりやって、少し取っ付きにくい子だと思ってた。でも違った」
周りのみんなが騒ぎながら前を歩く。
その少し後ろにあたし達は歩いていた。
「あたし、人と話すとき壁を作るの」
「壁?」
「うん、壁。仲良くなるにつれて、その壁は薄くなって行くんだけど」
少しずつ話し始めるナナに、あたしは耳を傾けた。
「まりやは最初っから、壁は0.5枚だよ!」
そんな少しの言葉に、あたしは計り知れない嬉しさになった。