Trust.
ナナはね、あたしの欲しいもの全部持っていた。
素敵な友達に、モデルのような可愛い顔。
なのに、性格もよくて。
学校ではファンクラブもあって。
学校に来るだけで大騒ぎになるくらいだった。
はっきり言って、僻みかもしれないけど。
でもナナは、一生癒されない傷を負っていた。
あの時、あたしが見た傷痕が、何よりの証だよね?
ずっと一人だと思ってた。
ずっと一人で生きていくと思った。
誰も信じちゃいけないと思った。
それが、今までのあたし。
でも、誰かと一緒に生きていくのも悪くはないよね?
ナナと出会えたことで、人間やってくのも悪くないと思った。
生きる意味が、見つかったんだよ?