王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
「何チラチラ見てんだよ。さっさと食え」
「……はぁい」
大人しくしていても無駄だったみたい。
あたしは唇を尖らせて、再びラーメンをズルズルとすする。
小野君は呆れた表情であたしを見た後、再び店主の方に向き直った。
「小野、女の子にそんな言い方したら可哀想だろ。こんな可愛い彼女、なかなかできないぞ?」
「いや、こいつは強く言わないと分からないんですよ。好意を寄せて近付いてくる男にすら気付かないバカだし」
……好意を寄せて近付いてくる男なんて、あたしの周りにはいませんよ!!
確かにあたしはモテないけど、そんな皮肉言わなくてもいいのに。
「可愛い彼女もつと大変だな?」
おじさんまでそんな嫌味を?!
「……ですね」
小野君はチラッとあたしを横目で見ると、フッとわずかな笑みを浮かべた。
な、な、何?!その不敵な笑みは!!
あたしは二人を無視して、ただひたすら目の前にあるラーメンをすすり続けた。