王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
だけど、今日に限っては普段の3倍増しぐらい機嫌が悪いようだ。
あたしは慌てて小野君の横に回り込んで下から顔色を伺った。
「小野君……」
眉間に皺を寄せて、明らかに苛立っている様子の小野君。
そんな小野君の怒りに、直人君の言葉は火をつけた。
「廊下は小野だけのものじゃないぞ。それに、俺達は廊下の真ん中で話してたわけじゃない」
「お前らの存在が邪魔なんだよ」
「俺のことは悪くいってもいいけど、姫川さんのことは悪く言うな。自分の彼女だろ?」
「関係ない奴がいちいち口出してくんな。昨日も言っただろ?」
直人君の強気な態度に怯むことなく、小野君は鋭い目つきで直人君を睨みつける。