王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
「ただの手紙だよ……?」
「ただの手紙ではないでしょ?もしかして何かあった?」
「ううん……何も……」
あたしが首を横に振ると、直人君があたしの手をパッと掴んだ。
「直人君……?」
「ちゃんと話してよ。話してくれるまで、手離さないから」
直人君の目は真剣そのもので。
手紙も見られちゃったし、隠し続けることは無理だ。
あたしは仕方なく全てを直人君に話した。
「誰かに後をつけられてるってこと?」
「うん。あたしの勘違いかもしれないけど……」
「勘違いではないな。だって現にこんな手紙が届いてるんだから。心当たりは?」
「それが……全然なくて」
首を横に振ると直人君は「そっか」と呟き、悔しそうに唇を噛み締めた。