王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~

「おい」


放課後。


帰り支度を始めるあたしの背後から低い声がした。


そのかすれた声が誰であるか、顔を見なくても分かるあたしは彼にベタ惚れみたい。



「帰るぞ」


振り向くとあたしの目を真っ直ぐに見据える小野君が立っていた。



うん、帰ろう。


って、帰るぞっていうことは……あたしも一緒っていうことだよね?!



「え……えぇ?!小野君、一緒に帰ってくれるの??」


「いちいち驚くなよ。嫌なら一人で帰る」


まさかあたしを誘ってくれるなんて!!


小野君が一緒に帰ろうって誘ってくれたの初めてなんだもん!!


驚くに決まってるよ!!



「……――小野君!ちょっと、待ってよ!!」


あたしは一人で教室から出て行こうとする小野君を慌てて追いかけた。

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