王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
「……おい!」
小野君の低い声が背中にぶつかる。
だけど、あたしは振り返らなかった。
「そういうんじゃない」
その言葉が全てなんだ。
好きか嫌いか、小野君にとってそれは選択肢の中に入らなかった。
あたしは小野君にとってどうでもいい存在。
そうだよね……。
あたしは小野君が大好きだけど、小野君はそうじゃない。
最初から分かってたじゃない。
小野君の気持ちなんてずっと前から気付いていたのに……。
それなのに、小野君の行動に一喜一憂してバカみたい。
心のどこかで、小野君が自分を好きでいてくれているのかもなんて期待したなんて。
そんなのってあんまりだよ。
……こんなの、惨め過ぎるよ。