王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
「汚ねぇの見せんな」
躊躇いもなくそう言い放った小野君。
あたしは思わず両手を顔から離して小野君に視線を移す。
「早くその汚いのしまえよ」
「ちょっと……小野君!!怒らせたら危ないよ……!!」
このおじさんは、突然駆け寄ってきて自分の上半身を見せるような変態だ。
怒らせたら、何をしでかすか予想もつかない。
「二度と俺の前に姿を現すな」
「お、小野君……――!!」
変態おじさんをちっとも怖がらず、吐き捨てるように言った小野君に驚く。
だけど、その言葉には十分すぎるほどの小野君の怒りが込められていて。
小野君にあしらわれたおじさんは、唇を噛み締めながらくるりと背中を向け走り出した。