王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
「……で、何で逃げた」
「……っ!!」
小野君と向かい合う形になると、あたしは口ごもって何も言えなくなってしまう。
その有無を言わさない茶色がかった鋭い瞳は反則だ。
「そんなの……小野君が一番よくわかってるでしょ?」
「分かんねぇから聞いてんだろ」
「そんなの……ズルイよ」
あたしが床に視線を落とすと「アユ」そう言って小野君はあたしの顎をクイッと指で掴み持ち上げた。