王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
「お前のすぐに俯く癖なんとかしろ」
「……小野君のせいだもん」
「は?」
「小野君があたしに興味ないのは知ってたよ。でもあたしは小野君が好きだから付き合ってたんだよ!それなのに……酷いよ」
二度目に聞いた「アユ」と呼ぶ小野君の声があまりにも優しくて。
あたしはまた、小野君のペースに引きずり込まれようとしている。
名前を呼ばれただけで胸をトキめかせている自分が情けない。
「小野君はあたしのことなんてどうでもいいんでしょ?!」
全ての感情が涙と一緒に込み上げてきて、あたしは一気にそれを吐き出した。