王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
でも、そんな小野君との約束をすぐに破る羽目になってしまった。
「アユ!俺のアイス食べただろ!今すぐ買ってこい!」
昨晩、2つ年上のケン兄のアイスをコッソリ食べたのがバレてしまった。
ケン兄は、アイスを買ってくるようにとあたしに命令する。
アイス一つで目の色を変えて怒るなんて信じられないけど、ケン兄は大のアイス好きで。
アイスが主食……は言いすぎだけど、アイスへの執着は人一倍強い。
「でも、女子高生がこんな時間に出歩くのは……」
「……お前なら大丈夫だ。早く行け」
「だったら、ケン兄もついてきてよぉ。お金は払うから。ねっ?」
「甘えんな。俺のアイスを無断で食ったお前が悪い」
「……はいはい!分かりましたよ!!もし何かあったら、ケン兄のせいだからね!!」
半ば強制的なケン兄に反抗するように、あたしは財布を掴み家を飛び出した。