王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~

視線を足元に落としてぼんやりそんなことを考えていると、直人君が真っ正面からあたしを見た。


その表情は真剣そのもので。


あたしは息を飲んで直人君の言葉を待った。



「お世辞なんかじゃない。本当に可愛いって思ってる。小野が姫川さんと付き合う前から、ずっと好きだった。一目惚れなんて初めてだった」


「な…おと君……」


「俺じゃ小野の代わりにはなれない?小野に振り回されてる姫川さんを見ると辛いんだよ。俺だったら絶対に大切にする」



直人君はあたしが困っている時や助けを求めている時、そっと手を差し伸べてくれる。


その手を掴めば直人君の愛を感じながら穏やかに生きていける気がする。


顔色をうかがう必要も遠慮する必要もなく、対等な関係で付き合っていけるだろう。
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