王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
「ズルイよな。自分でも分かってるんだ。でも……これで最後にするから。今だけはこうさせて?」
直人君なりに踏ん切りをつけようとしているのかもしれない。
無理に引き離すより、直人君が離してくれるのを待った方がいい。
瞬時にそう察して、直人君の胸から手を離す。
「俺、情けないな……」
「そんなことないよ」
想ってくれてありがとう。
こんなあたしを好きになってくれて、本当にありがとう。
それと、気持ちに応えてあげられなくて……ごめんね。
心の中でそう謝った瞬間、
「……小野……?」
直人君は震える声でそう呟いた。