王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
「お前、こいつが俺の女だって知ってて手出してんだろ。いい度胸してるな」
「姫川さんが小野の彼女だって言うのは知ってた。でも、さっき振られたよ」
「そんなこと聞いてねぇよ」
小野君は冷たく突き放すと、勢いよく腕を振り上げた。
「……小野君、やめて!!」
ギュッと目を瞑ってそう叫んだ時、ゴンッという鈍い音が辺りに響き渡った。
その音は小野君の拳と直人君の顎が激しくぶつかり合った音で。
「直人君……!大丈夫?!」
痛みに顔を歪める直人君に恐る恐る近付くと「大丈夫」直人君はそう言って唇の血を拭いながら小さく頷いた。