王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
勝ち誇ったような表情のリカコちゃんはすぐに視線を小野君に戻す。
小野君の体をベトベト触るリカコちゃんを見ていると、無性にイラついた。
こんな気持ちを人はヤキモチと呼ぶんだろう。
あたしと小野君は「別れよう」という約束を交わしてないし、今も一応彼氏彼女という関係だ。
彼氏の体を他の女の子がベトベト触っている時に、彼女が何も言えずに指をくわえて我慢することしかできないなんて。
……そう考えると、悔しくて仕方ない。
「ねぇ、今日一緒に帰らない?」
わざと大きな声を出してること気付き、あたしは頬を膨らませた。
リカコちゃんの甘ったるい声は、あたしの耳にもばっちり届いた。
これはきっとリカコちゃんの宣戦布告に違いない。
受けて立つとは言わないけど、絶対に負けないんだから!!
顔を引き締めた瞬間、
「……え?なんで……?」
あたしは驚いて口をポカーンっと開けた。