王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
「あんたと約束なんてしてない。勘違いすんな」
「え?ちょっと……小野君どういうこと?」
小野君に冷やかな視線を浴びせられ、みるみるうちにリカコちゃんの顔が怒りで赤く染まっていく。
「言っておくけどな、俺はあんたを何とも思ってない」
「え……?小野君……?」
「馴れ馴れしく触りやがって。そこどけよ、邪魔だ」
「……この女と別れたんじゃないの?!」
リカコちゃんは血走った目であたしのことを睨み付ける。
「誰が別れたなんて言った?つーか、こいつのこと『この女』呼ばわりすんじゃねぇよ」
「……っ!!」
「俺の女はお前じゃないから。勘違いすんな」
小野君の言葉はリカコちゃんのプライドをひどく傷付けたようだ。
「なによ!そんな不細工と付き合ってる小野君なんてこっちから願い下げよ!!」
鼻息を荒くしてそう捲し立てるリカコちゃんからお嬢様という言葉は消え失せていた。