王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
「アユちゃんは私を壱星の浮気相手だと思ってる?」
……何でバレちゃってるんだろう。
ストレートな質問に思考が追い付かず、思わず目を泳がせる。
「でもね、それはアユちゃんの勘違いよ。私は壱星のお姉ちゃんだから」
「……へ?」
小野君のお姉ちゃん……?
「私は小野星華(せいか)。でも、来月には名字が山城に変わるのー」
小野君のお姉ちゃんと名乗る星華さんは、左手の薬指にはめられている指輪を強調する。
「というと……ご結婚なされるんですか?」
「そうなのよー!いい男引っかけて、夢の専業主婦まで後一歩なの!!」
星華さんは向かいの席に座るあたしの肩を、身を乗り出してまでバシバシと遠慮なく叩く。
おばさんのような振る舞いに、美人で清楚な星華さんのイメージが一瞬にして崩れ去る。