王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
第五章
ドキドキの水族館デート
デート当日。
あたしは駅の前に立っていた小野君に駆け寄った。
「ごめんね!遅れちゃって!」
「俺を待たせるとはいい度胸だな」
用意に時間がかかり慌てて家を飛び出したものの、約束の時間に間に合わなかった。
「ホントごめん!!」
パチンっと手を合わせて謝るあたしに、小野君はハァと溜息をついた。
「別に。俺もお前を待たせたことあるしな」
「そういえば夏祭りの日、何で遅刻したの?」
「バイトでトラブルがあってどうしても帰れなかった」
「そっか、それなら仕方ないね。遅くなっちゃうし、いこう!!」
「遅れた奴の台詞じゃないな」
チラッとあたしを横目で睨んだ小野君。
だけど、それは気付かなかったことにしておこう。
せっかくのデートを台無しにしたくない。
あたしと小野君は揃って発券機に向かって歩き出した。