王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~


小野君は自分の言葉に気付いていないのか、照れるあたしを怪訝そうな表情で見ている。


大切な女を乗せたくないってことは、あたしが大切だってこと?


あたしだけは二度と乗せたくないってことは、あたしがものすごく大切ってことだよね?


……もう!!小野君ってば!!遠回しすぎて、あやうく聞き逃すところだった。



「小野君、あたし今、ものすごい胸キュンしちゃったよ」


「……は?」


「ねぇ、もう一回言って?」


「何をだよ」


「女の顔に~ってところから今までのパート全部!!」


そうリクエストすると小野君は眉間に皺を寄せて目を瞑った。



「ちょっと、小野君!寝ちゃ嫌だよ」


「3時間もお前と喋りたくない。乗り換えになったら起こせ」


小野君ってば、照れるとすぐにタヌキ寝入りするんだから!!


小野君はその後、何度体を揺すっても乗り換えの駅に着くまで起きてはくれなかった。





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