王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~

3回の乗り換えを経て、ようやく目的の駅に到着した。



「こんなところに水族館なんて洒落たもんあんのかよ」


「……ちょっと心配になるね……」


改札を出ると小野君とあたしは互いの顔を見合わせて顔をしかめた。


タクシーが数台止まっているだけで見渡す限りコンビニもない。


生温かい風をさえぎる大きな建物などなく、あたりは閑散としていた。



「……タクシーで水族館に行くしかないね?」


「当たり前だろ。見える範囲に水族館なんてねぇよ」


あたし達はやる気のなさそうな運転手に行き先を告げ、水族館を目指した。
< 355 / 453 >

この作品をシェア

pagetop