王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
お風呂から上がった途端、小野君は目すら合わせてくれなくなった。
もしかしたら怒っているのかもしれない。
あたしが寝過したばかりに雨に打たれてタクシーの運転手に嫌な顔をされ、こんな場所にいる……怒って当たり前か。
「小野君、ごめんね。全部あたしのせいだから機嫌直して?」
ベッドに座っていた小野君の隣に腰掛けながら顔色をうかがうと、小野君はチラッとあたしを見た。
「機嫌って何のことだよ」
「だってさっきから怒ってるでしょ?目も合わせてくれないし、少し悲しいよ」
「怒ってねぇよ。だから俺に近付くな」
「じゃあ何でそんなにあたしと距離を置こうとするの?あたしは小野君のそばにいたいのに」
素直な気持ちを口にすると、小野君は「バカ」と呆れたように呟いた。