王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
「……小野……く…ん?」
ギュッと固くつぶっていた目を恐る恐る開けると、そこにあったのは初めて見る小野君の表情だった。
眉間に皺を寄せているのはいつもと変わらない。
ただ、鋭く茶色い瞳にいつものような力はなくて何故か辛そうな表情をしていた。
「嫌なら嫌って最初から言えよ」
そう言い終わる頃には、小野君はいつもの冷たい表情に戻っていて。
何故かホッとしてあたしは小野君をすがるような目で見つめた。
「あたし嫌じゃないよ……?」
「口ではいくらでも言えるから」
そして小野君はあたしの体を解放して、乱れていたバスローブを元に戻した。