王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~

「でもさ、小野君っていい奴だな。生意気かと思ってたけどちゃんと礼儀わきまえてるし、男気がある」


「へぇ……」


ケン兄が人のことを褒めるなんて意外だ。


同性とくればなおさらのはず。


「小野君言ってたぞ。夜遅くにアユを出歩かせるのだけは勘弁してくださいって。心配なんだって」


「……え?小野君がそんなことを?」


怒りモード全開だったあたし。


でも、ケン兄の話に思わず目を輝かせた。


小野君、やっぱりあたしのこと心配してくれてたんだ……。


どうしよう……。凄い嬉しい!!


「アユがあんなイケメンつかまえられるなんて、世も末だな?」


「……ちょっと!失礼な!!」


「冗談。ま、小野君には俺が近々飯でもおごってやるから安心しろ」


ケン兄はそう言うとヒラヒラと手を振り、鼻歌交じりにリビングから出て行った。
< 397 / 453 >

この作品をシェア

pagetop