王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
「でもさ、小野君っていい奴だな。生意気かと思ってたけどちゃんと礼儀わきまえてるし、男気がある」
「へぇ……」
ケン兄が人のことを褒めるなんて意外だ。
同性とくればなおさらのはず。
「小野君言ってたぞ。夜遅くにアユを出歩かせるのだけは勘弁してくださいって。心配なんだって」
「……え?小野君がそんなことを?」
怒りモード全開だったあたし。
でも、ケン兄の話に思わず目を輝かせた。
小野君、やっぱりあたしのこと心配してくれてたんだ……。
どうしよう……。凄い嬉しい!!
「アユがあんなイケメンつかまえられるなんて、世も末だな?」
「……ちょっと!失礼な!!」
「冗談。ま、小野君には俺が近々飯でもおごってやるから安心しろ」
ケン兄はそう言うとヒラヒラと手を振り、鼻歌交じりにリビングから出て行った。