王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
そんな微笑みに女であるあたしも思わずドキッとしてしまった。
茶色くて長いストレートの髪は枝毛一つないように思える。
鼻が高くて唇が薄くて、極めつけは奥二重の大きな瞳。
いつも甘い香りを漂わせている舞子には、あたしにはない色気が感じられた。
「小野君もアユが転校してきてからずいぶん大人しくなったし、クラスメイトとしては嬉しい限りよ。安心して学校生活送れるもん」
小野君が大人しくなった……?
今だって十分大人しいのに。
それに、小野君は学校にいる間はほとんど寝ている。
「大人しくなったっていうのは?」
「聞きたい?」
「聞きたいです」
「え~どうしようかなぁ……」
「舞子ぉ~……お願い!!」
「……しょうがないなぁ」
舞子は勿体ぶりながらも小野君の過去を話してくれた。