王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
「小野君のことが気になってるんでしょ?」
「……うん」
「もし仮にまた遠いところに引っ越すなら、小野君とはなかなか会えなくなっちゃうんだしさ。二人の時間いっぱいつくっといた方がいいよ。それと……小野君にはちゃんと話しなよ?」
「……うん、そうする」
『来月には引っ越すから、荷物の整理しておきなさいよ』
お母さんは、確かにそう言っていた。
あたしが小野君と一緒にいられる時間は少ないのかもしれない。
タイムリミットは1カ月もないのかな……。
その間に、小野君との思い出をたくさんつくっておかなきゃ。
「舞子、ありがとう」
笑顔でお礼を言うと、舞子は「アユがいなくなったら寂しくなる」そう言ってわずかに目を伏せた。