王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
「……――小野君、おかえり!待っててよかったぁ……」
放課後。あたしは誰もいない教室の中で小野君を待っていた。
頭髪検査に引っ掛かり、職員室で叱られたであろう小野君の表情はいかにも不機嫌そうだったけれど、気付かなかったことにしよう。
「待ってろなんて頼んでないだろ」
小野君はあたしを見るなり露骨に溜息をつき、机の横の鞄に手を掛けた。
「今日はバイト?」
「ない」
「じゃあ、一緒に帰らない?」
慌てて立ち上がって小野君に駆け寄ると小野君は「行くところがあるから無理」そう言ってスタスタと歩き出した。