王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
今言うべきことはそんなことじゃない。
それなのに、自分を止められない。
「水族館に行った後から小野君毎日のようにバイト入れてるでしょ?それはあたしと一緒に帰りたくないからだよね。土日バイト入れるのも、あたしと遊びたくないからでしょ?」
「お前さ……」
「ハッキリ言ってもらった方がいいの。あたしもう少ししたら引っ越すかもしれないし、小野君と、はなれ離れになっちゃうかもしれないから」
こんな形で引っ越すということを小野君に告げることになっちゃった。
小野君は一瞬、戸惑ったような表情を浮かべた後、あたしを真っ直ぐ見つめた。
「引っ越すってなんだよ」
「あたし……引っ越すの。小野君と離れ離れになっちゃうの!!」
あたしがそう叫ぶと、小野君は足元に視線を落とした。
そして、わずかな沈黙の後、ようやく口を開いた。
「来週の月曜なら空いてる」
小野君はそれだけ言うと、何事もなかったかのように再びあたしに背中を向けて教室から出て行った。