王様彼氏とペットな彼女!?~Heart Breaker~
「それとね、痛いのは最初だけ。あたしは痛いってより苦しいって感じだったな。初めての時は血が出るなんて言うけど、それも人によるらしいし」
「血が出たら焦っちゃうなぁ……」
「男の一物が小さいと出ないって聞くけどね。小野君のは見たことないからあたしには分からないわ」
「ちょっと……舞子!!」
サラッとすごいことを口にする舞子を制止すると、
「エッチするって宣言した人に言われたくないです~」
舞子はからかい口調で返してきた。
「とにかくね、あんまり気合入れすぎてもうまくいかないものなの。まぁ、そういうことになったら小野君に任せておけば間違いないって。小野君って何でもうまくこなしそうだし」
何でもうまくこなしそうっていうのは、それ相応の経験があるってことだよね?
小野君、ラブホテルも初めてじゃなさそうだったしなぁ。
……あたしが小野君の初めてになりたかったな……。
小野君が違う女の子とそういうことをしている姿を想像すると、すごく嫌な気持ちにある。
……ダメダメ。そんなこと考えるのはよそう。
「……だよね。ありがとう」
舞子のアドバイスを頭の中の引き出しに収めていると、舞子が突然ガサゴソと鞄の中を漁り始めた。
「はいこれ。ちゃんと付けなさいよ?」
「これって……まさか……」
「アユ、持ってないでしょ?」
あたしの手にちょこんっと乗せられた二つのコンドーム。
「舞子……こんなの毎日持ち歩いてるの?」
「まぁね。あ、でもこれはお財布にいれといたやつじゃないから安心して?」
「お財布にいれるの……?」
「お財布にコンドームを入れておくとお金が貯まるって話、知らない?」
「全然知らなかった……」
「とにかく、エッチする時はちゃんとつけないよ?」
「うん。ありがとう……」
あたしは急いで貰ったコンドームをスカートのポケットに押し込んだ。